どこに行こうとしているのか?巨大投機マネー!
背景には株式市場に嫌気!商品市場への投機資金の流入が高騰・高値更新に!
投機マネーが主導 利下げで資金贅沢に
原油相場がニューヨーク商業取引所で約1ヶ月半ぶりに1バレル100ドルを突破し、史上最高を更新した。
原油の供給不安をかきたてる情報が引き金となったが、背景には商品市場への投機資金の流入がある。
冬場の原油需要のピークは過ぎているが、投機資金次第で相場は変動しそうだ。
度重なる利下げで潤沢になった投機資金の多くが、商品相場に向かっている。ウォール街のディーラーからはこんな声が漏れた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は昨夏以降、景気の悪化を食い止めるため、緊急利下げを含めた異例の対応を続けてきた。
市場に資金を贅沢に供給すればするほど、投機資金が商品市場に流入する。
同日のニューヨーク商業取引所の原油市場は同日朝から買い注文が殺到して急騰。
前週末に1バレル95.50ドルだった相場は一気に100ドルの大台を超え、市場最高値も塗り替えた。
米石油精製所の爆発事故や産油国ナイジェリアの政情不安、石油輸出機構(OPEC)による減産の観測・・・・・・・。
様々な買い材料が出たが、「相場上昇の最大の要因は投機的な動きだ」と米アナリストは指摘する。
この日は金相場も史上最高値を更新し、穀物相場も軒並み上昇。
原油や金に加え大豆や小麦など様々な商品市況を組み込んだ国際的な商品指数のロイター・ジェフリーズCRB指数も史上最高値を上回り、約6年前の2倍近くまで跳ね上がった。
米低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題の影響で揺れた欧米の株式相場は、年初からの急落が一服。
だが、米国では「モノライン」と呼ばれる金融保証会社の経営難などがくすぶるなど、相場の先行きは依然として不安定であり、投資リスクがともなう。
それに比べて先高感のある商品相場なら、相場急落の損失リスクが小さく、値上がり益も見込める。
原油相場の急騰を合図に、商品相場全般への資金流入が加速した。
需給緩和で下落予想も
原油相場は今後も高騰を続けるのか。
米アナリストの間には、高等は長続きせず、いずれ1ドル70〜80ドル台に下がるとの見方が広がる。
米景気の後退懸念は根強く、原油の需給面では緩和の方向にあると見られているからだ。
米国内の原油在庫は、今月に入って増加を続けている。
相場の行方に影響力を持つOPECも3月の総会では需要が減る春先をにらんだ減産論が出ている。
OPEC自身が「米国経済の減速がはっきりしてきた」などの理由を挙げて08年の需要見通しを下方修正したばかりか、
消費国側の国際エネルギー機関(IEA)も2月の月報で、世界の需給見通しを20万バレル引き下げて日糧8760万バレルとしている。
とはいえ、19日のような投機資金主導の相場は、ちょっとした材料をはやして買いが膨らみ、急騰しやすい状況は続く。
OPECも「原油も投資商品になってしまった。投機による価格高騰と、激しい相場の変動を憂慮している」事務局長
景気に悪影響も
一方、インフレ圧力の高まりは、米景気の悪化を助長しかねない。
企業や個人の金利負担を軽くして景気を刺激する狙いも、原材料の高騰による企業収益の圧迫や、食品などの値上がりで相殺されてしまう可能性もある。
19日の米株式市場は一時前週末比150ドル超上昇したが、原油相場が100ドルを突破した途端に売りが急増し、下落に転じた。
市場では、商品相場の上昇で景気浮揚効果が消えてしまう、との懸念が広がっている。
ガソリン価格 国内下落続く 急騰で買い控え
国内のガソリンや灯油の全国平均小売価格は昨年12月以降、一本調子で下がり続けている。
値段が高すぎて、消費者の買い控えが定着したためと見られている。
石油情報センターが20日発表したレギュラーガソリン1gの全国平均小売価格は、1520.1円(18日現在)で、最高値の昨年12月10日の155.5円から約2ケ月で3.4円下がった。
一方、灯油(給油所店頭渡し)18gあたりの同価格は1737円で、前週と比べて2円下がった。
石油製品の下落は、消費者が価格急騰を嫌い買い控えした影響があるとみられている。
灯油の場合、暖房を弱めて灯油の消費を抑えるとともに、割安な電気やガス式の暖房器具に切り替えたためとみられる。
こうした傾向から石油元売各社は国内の在庫が積み上がらないように、輸出に回す量を増やしている。
国内の金価格24年ぶり高値
米国の原油市場高騰は、国内の商品先物取引にも影響を及ぼしている。
東京工業品取引所では、先物商品の価格動向を示す東京工業品取引所商品指数の20日の終値が、前日比2.49ポイント高い335.81と営業日連続で過去最高を更新した。
商品別で見ると、金は約24年ぶり、銀は約23年ぶりの高値水準となっている。
とりわけ、白金は20日の取引で1グラム7479円(2月決済もの)と、取引時間中の上場来高値を記録し、前年同月の1.6倍に上昇した。
取引の過熱を受け、東工取は21日以降、「証拠金」を白金では通常の倍以上の21万円に引き上げる。